左から、
1
芦名家の菩堤寺である天寧寺の枝垂れ桜
2 新緑の頃の内町武家屋敷通り
3 約2キロにわたって400本余のソメイヨシノが咲き乱れる桧木内川堤



1. 城下町の風情 2. 武家屋敷5題 3. 社寺めぐり



The Castle Town


のぞき窓の付いた黒板塀と馬乗り石

蔵脇の野点傘

 駅から歩いて10分程で、武家屋敷が残る内町に着く。東勝楽丁から表町下丁への道路は途中、桝形になり、行き止まりのように見える箇所がある。城下町でよく用いられる手法で、見通しを避け、防衛する役割をもっていた。現在その意味は失ってしまったが、景観の演出効果を果たしている。
 通りには平行して黒塗りの透かし塀や簓子塀が続く。単調な連続性をもった塀に、薬医門がアクセントを与えている。また、この通りに入ると木立の中にいるような印象を受けるが、屋敷に植えられた枝垂れ桜や樹木が茂りに茂り、巨木となって家や道路を覆っているため。樹木の間からかすかに垣間見える建物に、人の気配は感じられず、静寂な雰囲気だけが伝わってくる。薬医門の前に佇むと、初めてその屋敷の全容を目にすることができる。苔むした庭、母屋と漆喰塗りの蔵。漆喰の白さが、昼なお暗い屋敷林を照らす。


明治に建てられた安藤商店の蔵
 外町は全体として古い町人町からは様変わりしてしまったが、一部には町家、蔵を備えた商家、かつての町屋形式を残す妻入りの家屋などが残り、往時の名残りをとどめている。外町は町家がひしめき合っているので、ひとたび火災が生じると被害は甚大だった。大火は繰り返され、藩政時代の町家は全て焼失してしまった。現存する町家は明治に入ってからのものである。明治に入ると、店鋪は次々と防火対策上から土蔵造になるが、擬洋風建築もあらわれ、大正時代のものがユニークな姿で残っている。